一度は聞いたことがある「ふるさと納税」
2008年から始まり、2019年には全国で460万人が利用する仕組みになっています。
しかしまだ申し込みをしたことがない方もいて、
よくわからなくて怖い・・・
何をすればいいか知らない
と、漠然とした不安があるようです。
地方の特産品を知れる・自分の所得や税金のことを考えるきっかけになるなど、メリットが多い素晴らしい仕組みです。
今回は、ふるさと納税について可能な限りカンタン・わかりやすい表現で紹介します。
- ふるさと納税の目的を知れる
- 寄付する方法と返礼品をもらう方法のくわしい手順を知れる
- ふるさと納税をするときの注意点が知れる
ふるさと納税を3年、毎年欠かさず申し込んでいます。
いくつかのサイトを使った経験をもとに、よりよいふるさと納税の使い方を紹介します。
ふるさと納税はなぜ始まったの?
ふるさと納税という言葉はなんとなく聞いたことがあると思います。
しかし、具体的なふるさと納税の仕組みはどんなものかはあまり知られていないのが現実です。
すごく簡単に言ってしまえば、
いま住んでいない地域に寄付・納税して、お返しに特産品がもらえる
です。
今はこれだけをよく覚えておいてください。
ふるさと納税をすることで、どんな良いことがあるかを紹介します。
始まった理由
ふるさと納税が始まったのは2008年。
なぜ突然こんな仕組みが始まったのでしょうか?
政治家
税金が人の多い地域に集中して、住民が少ない地域が破産してしまう!
この状態は変えなければならない!
2006年に「ふるさと納税検討会議」が開催され、政治家や知事など国・県の代表が集まり話し合われました。
通常のルールだと、住民税という税金を市や町におさめて、市や町はそのお金で住民が暮らしやすい街つくりをします。
しかし住民税は住民の数が多いほどたくさんお金が集まるため、住民が少ない地域は貧乏な地域になってしまっていました。
地域によってお金の量に大きな差が出ていたため、地域レベルでの貧富の差が生まれてしまっていたのです。
この状態を変えたのがふるさと納税なのです。
実家がある地域や思い入れがある地域など、いま住んでいない地域への寄付・納税が出来るようになりました。
この仕組みにより貧乏だった地域にもお金が入ってくるようになり、街つくりへの準備資金ができてきたんです。
いくら寄付・納税すればいいの?
実際にいくら負担すればおトクになれるのか、ここがふるさと納税で理解しにくいポイントです。
結論、実質の負担は1年で2,000円だけです。
ただし2,000円だけ準備すれば良いかというと、そうではありません。
図で表した通り、住民税が安くなり所得税が一部返還される仕組みです。
そのため、一時的に寄付・納税する分のお金を準備する必要があります。
住民税は毎月安くなる仕組みなので、元を取るまで1年間かかることに注意しましょう。
のふぁい
また、実質2,000円になる上限金額も決まっています。
細かい計算がありますが、わかりやすい目安を紹介します。
引用:日経新聞
表にある金額が、『1年間で実質2,000円でふるさと納税ができる上限金額』です。
例えば、年収500万円・共働き・子1人(高校生)の場合、年間49,000円の寄付・納税をしても翌年には47,000円分が戻ってくる計算です。
1つの自治体でも複数の自治体でも、条件は変わりません。
のふぁい
寄付・納税したお金どうなるの?
ふるさと納税を利用して寄付・納税したお金は、寄付・納税した本人が使い道を決めることができます。
- 自然保護活動
- 文化、教育、生涯学習への支援
- 公共設備の充実
- 音楽活動への支援
- 環境・景観保護
その他、多くの使い道を選べるようになっています。
安全なの?
仕組み自体は総務省が管轄しており、寄付・納税先は地方自治体なのでふるさと納税は騙されるような要素はありません。
ただし、寄付・納税に対する返礼品の受け取り方が自治体ごとに決められているので、少し注意が必要です。
寄付したのに返礼品が来ない・・!
正しく申し込まれていない可能性があるので、寄付した自治体の仕組みをよく読みやりなおすか、担当の窓口へ問い合わせしてみましょう。
返礼品ってなに?
寄付したお礼に地元の特産品などを送ります!
これが返礼品です。
これも自治体によって特色があり、返礼品を選ぶのはすごくワクワクします。
引用:ふるさとチョイス
私は毎年お米を返礼品に選んでいます。
家族が1年間で食べる量のほとんどをふるさと納税の返礼品でいただいているので、家計的にとても助かっています。
食べくらべセットを出している自治体などもあり、毎年楽しみにしています。
何をすればいい?
ふるさと納税の仕組みがわかったところで、次にふるさと納税を利用する準備をしましょう。
ふるさと納税サイトに登録する
ふるさと納税をまとめているサイトは複数あります。
その中でも人気があるサイトをいくつか紹介します。
ふるさとチョイス
ふるさと納税が始まった当初からある、老舗サイトです。
特長は利用者数・返礼品掲載数がNo.1なことです。
初心者でも使いやすく、検索もサクサクできるので便利です。
※筆者も登録して、毎年利用しています。
2020年9月21日までニコニコエール品を申し込めます!
元気いただきますプロジェクト第3段が発表され2020年10月21日まで延長されました!
ニコニコエール品とは、新型コロナウイルスにより外食の需要が減ってしまったことで悪影響を受けた生産者を応援するプロジェクトです。
国の補助事業※を活用したふるさとチョイス独自の取り組みで、返礼品を増量して消費者に特産品を届けている生産者・自治体もあります。
数量に限りがある1ヶ月限定のプロジェクトなので、早めの申し込みをしましょう。
※補助事業とは、「令和2年度品目横断的販売促進緊急対策事業のうち地域の創意による販売促進事業」を指します。
さとふる
2014年から提供されているサイトです。
特長は利用者にとって役立つ機能が多いことです。
- 返礼品を受け取った方のレビューを見られる
- スマホからでも見やすい
- クレジットカードやキャリア決済など、支払い方法が多い
- 返礼品が届く時期がマイページからわかる
その他にもたくさんのお役立ち機能があり、寄付・納税したあとも便利に使えます。
>>>さとふる
ふるなび
ふるなびの最大の特長は、寄付・納税した額に応じてAmazonギフト券がもらえることです。
返礼品以外にもおトクになりたい方は会員登録してみましょう。
ふるなびカタログという寄付ポイント制度もあり、すぐに返礼品を選べない・あとで家族でゆっくり見たい方にとっては助かる機能です。
今日は寄附だけでもOK! 品選びはあとでゆっくり、ふるなびカタログで。
ふるなびカタログとは、便利なポイント制ふるさと納税サイトです。
引用:ふるなび
※筆者も登録して、毎年利用しています。
楽天ふるさと納税
楽天ふるさと納税の特長は、楽天ポイントが貯まる・使えることです。
普段の買い物も楽天を使っている方は、楽天ふるさと納税も使ってみましょう。
いつも買っている食材や日用品が、ふるさと納税の返礼品にあれば実質2,000円で手に入れることができます。
納税・寄付する先の自治体を探す
探し方はいろいろあります。
- 地元・出身地の地域を選ぶ
- 欲しい返礼品がある自治体を探す
- 寄付・納税したお金の使い方から選ぶ
- 寄付する金額から探す
自分が気になる自治体や出身地である地域があるかを探してみましょう。
家族と一緒に、ほしい返礼品から探してみるのも楽しい時間になります。
※現在住んでいる(住民票がある)地域へのふるさと納税はできません。
家族と美味しいものを楽しみたいので、ハンバーグや乾麺などの食材を返礼品で選んでいます。
のふぁい
申し込む(寄付・納税する)
寄付・納税する自治体が決まれば、申込みをします。
申込みは個人情報の入力・寄付額の選択・希望する返礼品などを登録しますが、ネット通販と同じくらい簡単にできます。
決済は申込みをするサイトによって対応している決済方法があるため、事前に確認しておきましょう。
クレジットカードでポイントを貯めるため、いつもクレジット決済を使っています。
のふぁい
税金減額の申請をする
寄付・納税の申込みをしたら、税金の減額申請をします。
※寄付・納税した自治体から届いた書類の中に必要書類が入っています。
方法は2つ、ワンストップ特例制度か確定申告です。
ふるさと納税を初めて使う・確定申告をしたことがない方は、ワンストップ特例制度を使うと便利で楽に申請できます。
ワンストップ特例制度を使うためには、寄付先を5自治体以内にする必要があります。
同じ自治体に何回も寄付しても、5自治体以内ならワンストップ特例制度を使うことができます。
返礼品をもらう
無事申込みが終われば、返礼品が届くのを待ちます。
頼んだものにより、早ければ1週間・遅いものだと3~4ヶ月待つ場合があるので、どれくらい時間がかかるかを確認しておきましょう。
※新米などは収穫状況によって到着時期が変わるので長く待つことがあります。
専門用語のまとめ
ふるさと納税に関する専門用語がいくつか出てきました。
馴染みのない言葉があるので、大事な言葉をピックアップして説明します。
返礼品
寄付・納税のお礼に自治体から送ってもらう特産品などの品物。
食材・お酒・旅行・イベントなど、自治体にとって特色がある。
総務省の通達により、寄付・納税額の3割相当(10,000円寄付なら3,000円相当)と決められている。
ふるさと納税サイト
企業が運営する、ふるさと納税の手続きができるWebサイト。
それぞれの企業で強みが違っているため、自分が気に入るサイトを選ぶことが出来る。
住民税
いま住んでいる(住民票がある)地域に納める税金。
住民の数によって集まる住民税の額が決まっていたが、ふるさと納税が実施されてから住民が少ない地域にもお金が入るようになった。
所得や家族構成などで額が変わる。
※市町村と都道府県どちらにも納税する。
所得税
1年間で得る所得に応じて納める税金。
- 収入:総支給額と呼ばれる金額。税金や保険料が引かれる前の額
- 手取り:いわゆる手取り。実際に給与として渡される額。
- 所得:決められた率を経費(カバン代など仕事等で必要になる金額)として計算し、引き算で残った「自由に使えるお金」
日本国は累進課税(るいしんかぜい)という仕組みが導入されていて、高い所得の人ほど所得税も高くなる。
ワンストップ特例制度
ふるさと納税をしたときに。住民税と所得税の減税を申請できる仕組み。
専用の申請書に記入して、寄付・納税した自治体へ送るだけ。
本来は確定申告が必要なところを、簡単に申請できるようにしてある。
ただし、寄付・納税する先を1年間に5自治体以内にしなければいけない。
※5自治体以内なら、寄付・納税は何回でもOK
確定申告
その年、いくら所得があっていくら税金を納めるかを申告すること。
税務署が一年で一番忙しい時期。
ふるさと納税も確定申告の対象だが、ワンストップ特例制度を利用すれば確定申告はいらない。
決済
寄付・納税の方法。
クレジットカード、銀行振込、キャリア決済(docomo・au・Softbankの利用料金と一緒に支払う)など、さまざまな決済方法がある。
ふるさと納税サイトによって対応している決済が違うため、自分が一番便利な方法で寄付・納税できるサイトを選ぶと良い。
おわりに
ふるさと納税の仕組みと始め方を紹介しました。
毎年1月にふるさと納税の上限金額がリセットされます。
そのため、11月~12月は多くの人が返礼品を申請を始めて寄付・納税が多くなります。
中には数に限りのある返礼品もあるので、早めに申込みをしておきましょう。